詩人:min
身体中の夏を零しながら、どこまで君とあたしは行かれるだろうね、
理解と時間との途方もない距離を思うときプリティ・ヴェイカントは場違いなノイズでしかない。イヤフォンを片方、君に
ほら、車窓が一本の黄色い線みたいに、見えるよ、
あたしはあの日砂浜に掻いた約束とビーチパラソル、それから濃緑のガラス壜を思い出している。
高架下に二人、しゃがんで、零した夏を拾い、集めて、そうして夜明けの列車を待ちます。
イヤフォンからは潮騒のような、ノイズ
膨張と弛緩とを果てなく続ける記憶を思うとき手を伸ばしても波に触れることはできないのだと知る。どこまで行かれるだろう君、と、あたし、
パンタグラフが火花を散らして、水紅色の雲を焦がした、夜明け