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詩人:甘味亭 真朱麻呂
凍えそうな君の指先を見ていた
寒そうに両手に息を吹きかけてる
僕のジャッケットを君の背中にかけてあげよう
風邪を牽かないように厚着をした方がいいよ
君は笑顔で
寒くないの?と僕に問いかけてきた
ぜんぜん平気だと笑ってみせるけど寒くないわけない
だけど君が笑ってくれるなら
風邪を牽かないならこんな寒さなんでもないさ
空を見上げた雪が降ってる
君は両手を広げて
手袋を外して手のひらに雪を降らせてた
冷たいねという君にただ笑いかけるしかできない
胸にある気持ちを吐き出すこともできずに
うつむきながら
歩く僕と笑顔の君
僕は君の足跡の隣にわざと
二倍くらいある足跡をつけて
君の小さな足跡の僕のつま先分くらいの雪を僕めがけて投げてきた
時間も忘れて
雪合戦をしたね
最後までいえずに終わったけど
楽しかったよ
霜焼けで雪のように冷たくなった両手がこんなに赤くなっても
もう少しだけ君といたかった
君が好きなのは僕じゃない彼奴だとしても
今だけは僕だけを見つめてくれる
君とこうやってふざけていたかったんだ
雪のように白く雲のように遠く空のように神秘的なきみと子供みたくはしゃいでいたかったんだ。