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詩人:弘哉
『理解されない』
ありふれた言葉で悩む現代人が
一人ぼっちだと嘆き続ける
新たなる思想が産み出されては消え行く中で
共感ばかりを求めさまよう
ただ唯一の己を喪失し
自身が消えないことを望む
飛び越え行くことも
追い付くことさえ諦めた
所詮無理だと言っている
それで一体何が出来よう
生く時代の快適を求めるのは
当然な人間の傲慢
不潔な河流を
自らを汚さず飲み込むには
まだまだ容積が足りなさ過ぎる
自分は小さな沼でしかない
私を肯定するものが
唯一己を見つけたなら
そのときは私を否定しなさい
自分の理想のみを見つめ
迷わず突き進みなさい
全てが許される今の時代に
己の背を圧し潰すプレッシャーを
どうにかこうにか管理しながら歩いている
私は
大海になりたい