詩人:どるとる
時計は置き去りさ 時間からはみ出した僕は
孤独なまま ずっと同じ雨に降られている
目を閉じてしまえば何も見えないけれど
そこに映るものは嘗てこの瞳が心に体に刻みつけたもの
さよなら 坂道を下ってゆく時間が
少しずつ暮れゆくまでの辛抱だ
ただいまやおかえり
おはようやおやすみ
何でもない言葉の片隅に灯る光
忘れないで
いつか閉じ込めた記憶が波にさらわれても
ああ昨日のこともあざやかに覚えているのに
時間が変えてしまう でも残酷とは呼べない
指折り数えている大切なひとつひとつを
どれもなくしたくないものだけに
僕はそれを思うと深い青に沈んでしまう
愛してる 言葉はすんなりと流れて
僕の耳に 心に染み込んでゆく
雨上がりに見た虹
明けたばかりの街
何気ない 暮らしの隅っこに眠る幸せ
忘れないよ
いつか宝物と呼んでいた時間はこれからも変わらず宝物のままだから
さよなら 坂道を下ってゆく時間が
少しずつ暮れゆくまでの辛抱だ
ただいまやおかえり
おはようやおやすみ
何でもない言葉の片隅に灯る光
忘れないで
いつか閉じ込めた記憶が波にさらわれても
あなたのことを
忘れてしまっても
積み重ねた時間は
そこかしこに刻まれている。