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[187345] まばたきの合間に

詩人:どるとる


そっと朝の光が 僕の中に沈むと
汚かった僕の心もなんだか洗われる

手にしたもの手放したもの
ひとつひとつ数えてはまた何かを失い
そして何かを得ている

人ごみの中に 佇むと人がまるで鏡のように 一人一人の瞳に僕の醜さが映るようで
いたたまれずに 夕暮れの中 人気のないほうへ逃げる

街を彩る音やなんでもない景色の中僕はそっと目を閉じる

それでも見えるものや聞こえるものは確かにあって

微かに ささやくように脈打つ誰かの呼吸がきっとこの世界に朝日を差すから

まばたきの合間に そっと垣間見た
普段は隠れてる誰かの心が

まるで目隠しを取っぱらったみたいに
見えた気がしてこっちまで恥ずかしくなる でもどこかそれは

人の血の通った あたたかい横顔みたいで 時々見える悪魔みたいな人のずる賢さを打ち消すには十分だったよ ふいに迷い込むまどろみの中 求めるのは人のぬくもりだった

絵に描かれたようなきれいな世界などまやかしだと知ってる

それでもいつか迷うばかりの人の明日が晴れればいいと

微かに 残された僕の良心が 僕をすんでのところで引き留める

ああ 手放したはずのぬくもりなのに
最後に求めるのはやっぱりいつでも帰れる場所で 心置きなく笑える場所で
だからまばたきの合間に人は 涙に濡れる

街を彩る音やなんでもない景色の中僕はそっと目を閉じる

それでも見えるものや聞こえるものは確かにあって

微かに ささやくように脈打つ誰かの呼吸がきっとこの世界に朝日を差すから。

2015/01/25 (Sun)
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