詩人:どるとる
あなたの瞳を まっすぐに見つめる瞳がある
いくら目をそらしてもその瞳はあなたから目をそらさない
あなたを探すように 小さな瞳は誰もいない部屋を見渡す 隠れん坊しているわけじゃないのに
あなたは「もう愛せない」と強引に突き放した
何も特別なことを望んでいる訳じゃなく
ただ愛されたいだけ
その一心で 子供はあなたをお母さんと呼ぶんだよ
どうかどうか その瞳に気づいてあげて
あなたの腕の中で寝息を立てて眠る
遊び疲れたのかな どんな夢を見ているのかなあ
いつからか変わってしまった気持ちを今度は私が探す番だよ
鬼はあなただよ
思い出すよあなたを生んだあの日の空の色
あなたが笑うそれだけで世界が輝いたの
あなたが生まれたとき 私のもとに生まれてきてくれてありがとうって
確かに 私は思っていたのに
時が変えたもの それはなんだろう
命を育てていくのは思うよりも辛かったよ あなたを愛している気持ちとあなたを拒んでしまう気持ちの狭間でいつも一人迷い悩んでた
何も特別なことを望んでいる訳じゃなく
ただ愛されたいだけ
その一心で 子供はあなたをお母さんと呼ぶんだよ
どうかどうか その瞳に気づいてあげて
私は確かに あの日あなたのお母さんだったのに
私はいつからあなたのお母さんでいることから逃げたの。