詩人:どるとる
どこまでも終わらない夜の中に
咲いている 一輪の花を見つけたよ
どうして気づかなかったのかな
通り過ぎた道に 揺れる誰かの影
ささやくようなこの街のつぶやきは
まるで 一人一人の本当の心映す鏡のよう
声が聞こえる 泣いたり笑ったりしている
声と声が重なるように 下手くそな嘘に紛れて見えない心を誰もがその胸にしのばせてる
いつまでも流れてるエンドロールは
終わりを拒むかのように次の雨を降らす
寂しさは 置き去りにしたはずなのに
ポケットの底に残ってる涙のかけら
ささやくようにしか聞こえないその声は
まるで 知られたくない何かを隠すように
話すことを語ることを忘れてしまうよ
寂しさは途方もなく 海のように広がる 傷ついたその心に気づかれないように生きてる
誰かの話を聞くときは 目を閉じて耳をすますんだ
そうすれば きっとその声の向こうに 本当のあなたがいる
そのあなたと 会話をする 僕もまたあなたと同じで 本当を嘘に重ねてる
恥ずかしい 心のひだ 見せたくないから
声が聞こえる 泣いたり笑ったりしている
声と声が重なるように 下手くそな嘘に紛れて見えない心を誰もがその胸にしのばせてる
無傷に見えて傷だらけのその心を誰もがかばうように しのばせてる。