詩人:どるとる
悲しみはね寂しくて切なくて
言葉にしたら 思わず涙が出てくるよ
傷跡の理由(わけ)は聞かないでね
知らないふりをしてくれればいいから
悲しいなんて 思いたくないのは
強がっていたいからだよ
ちっとも強くなんかないのに
誰かに 弱さを見せるのが 嫌で必死になって
強いふりしてるだけだとわかってね
ああ 何か余計なことを言いそうな
この口に 指をあてて 悲しいときはそっと 誰にも言わずに
目を閉じたまま 泣こう
悲しみはただ雨のようにほほを伝い
あっという間に ほほから離れていく
涙が降り止んでもまだ胸の中には
しとしとと雨が降っている
人一倍 寂しがり屋なくせして
強がってしまうのは
寂しがり屋だからだよ
素直になるのは案外恥ずかしいんだ
だから 容易には心開けない
ああ この悲しみを誰かのせいにするなら
一人きりで ふさぎ込んだほうがいい
自分の悲しみは自分にしかわからない
涙の理由は 誰にも教えない
ふと立ち止まる夜の中 朝の中
気づけば 泣き疲れた僕よりも そばで慰める君のほうが 疲れて眠ってる
お疲れさま これじゃ僕のほうが君を 慰めているみたいだなあ
ああ 何か余計なことを言いそうな
この口に 指をあてて 悲しいときはそっと 誰にも言わずに
目を閉じたまま 泣こう
悲しみはね無理に言葉にはしなくてもいいんだよ。