詩人:どるとる
どこを見つめてるの?
何を聞いているの?
わからないことがあるのに
わからないことが何かわからない
そんな気持ちが 僕を形作ってる
いくつもの迷いが いくつもの悩みが
渦を巻いて やがて ひとつの世界になるように
いくつもの 悲しみが いくつもの喜びが
寄り集まって やがて 僕や君に なるように
そして 聞こえた産声の向こうに君がいる
誰を愛しているの?
何にふれているの?
朝にいるのに夜のような
夜にいるのに朝のような
道しるべなんてない 時間は目安
いくつもの 今日と いくつもの明日が
重なってつながって ひとつの時間になるように
いくつもの はじまりと いくつもの終わりが
生まれては 消えてく 命にそっとささやきかける
そしてやっと読み終えた本の表紙を閉じる
またひとつ 何かが
変わるような 変わらないような
またひとつ 何かを
手にしたような 手放したような
そんな 余韻の 片隅に 過ぎる やがて来る雨の気配
いくつもの迷いが いくつもの悩みが
渦を巻いて やがて ひとつの世界になるように
いくつもの 悲しみが いくつもの喜びが
寄り集まって やがて 僕や君に なるように
そして 聞こえた産声の向こうに君がいる
そしてその君もいつか聞いた産声を聞く。