詩人:高級スプーン
この絵に
足りないものは
なんだろう
湖
スプーン小さじ一杯
気まぐれにすくう
虹が作りたいな
スプーンはケータイ
手のひらサイズの
小さな世界
右手と左手で
掌握したいような
自分だけの世界
人に見せたいような
抱えきれない傲慢を
皆の目の前
両手で押し込んで
満足してんだ
それはもう
ちっぽけに
スプーン小さじ一杯で
変わることもある
スプーン小さじ一杯じゃ
変わらないこともある
右手と左手で
すくってもそう
この絵に足すもの
余計なものしか
浮かばないな
余計な世話を焼くな
スプーン小さじ一杯
小さじってどれくらい
気まぐれなさじ加減
投げても虹は架からない
少なめな僕一つ
まともにすくえない
特にすくいたくもないし
犬も食わないね
午前二時より
一時間半も前のお話
続きはその先
スプーン小さじ一杯