詩人:どるとる
たゆたうようにほころぶように たまには笑ってみる
なんとなく とりあえず
できるだけ やれるだけ
それくらいでいい
生きていくことが いやになったら
思い出してごらん今日の日の笑顔を
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
流れるように そよぐように たまには立ってみる
何気なく さり気なく 曖昧に あやふやに
不確かで確かな
僕という存在の影を縁取るように
ひどくおぼろげ輪郭をなぞる指先
名前も知らない花が咲く道を 歩いてく
すぐに忘れてしまう話をしながら歩いてく
印象に強く残るのはほんのささやかな色
ほんのり唇を染めている薄紅色のような
たとえば何かに重ねてる 思い出す時に
思い出しやすいように 何かと一緒に覚えてる そんなものが
僕にもあるはずと探してみる夕暮れ
あなたの背の高い影法師は声も出さず笑う
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
僕の中に残っている思い出のすべては
自転車に乗ってるあなたの後ろ姿
そこにはないけどその背中からにじむあなたの優しさ。