詩人:さみだれ
ある朝それは目を開けて白い靄の中に青を見つけたやがて靄は晴れてそれは途方もない世界を見た耳に触れる音の風透き通る川のにおい草花は話しかけるように揺れて蝶がそれに答えるそんな途方もない世界それは全身からわき上がる何か雲に似たものを感じたそしてそれは叫んだ言葉もないただの声をそれは発した――我々人類は共存に固執する哀れな種だ世界でひとりきりになったなら私はどのようにして生きようか生きていられるだろうか