詩人:与末居
この美しい夕暮れは
やがて夜がくることの証
いつまでも
美しい光があふれて
いてくれればいいのに
そうしたら世界は
もっともっと
やさしくなるだろうに
夕暮れは瞬間で終わり
長く暗い夜が
すぐにやってくる
夕暮れの輝きは
夜の恐ろしさから
人の気をそらすための
まやかしのよう
この美しさに
うっとりしていると
背後から忍び寄ってくる
夜の暗闇にふい打ちを
くらうことになる
それはたぶん
人のやさしさと同じ
美しく気持ちのいい
やさしさにごまかされ
裏切りという名の夜に
引きずり込まれてしまう
2006/01/28 (Sat)