詩人:高級スプーン
幸せは
幾つあっても足りないのに
その数には限りがあって
しかもそれすら
全ては掴みきれず
零してしまう
欲しても叶わず
必ず何処かで
不幸になって
どうしようもなく
立ち尽くすんだ
本当は誰もが
選択肢の無い道を歩み
迷うことなく
与えられた仕事を全うし
無事一生を終えるんだろうそれなのに
運命に抗い
道なき道を進み
在りもしない出口を探し
迷っては立ち止まる
なんて馬鹿なんだ
輝く星よ笑ってくれ
そうすれば僕も笑えるし
幾らか救われるから
次の瞬間
暗雲に飲まれて
星は跡形もなく
消え去ったけれど