詩人:umi
蟻を見ていたよ。
公園の大きな木の下で
長い行列を作って働く蟻を。
気がついたら蝉時雨の中汗いっぱいかいていて
ポタポタと地面に落ちていたんだ
お母さんがね
大きな声で名前を呼んで手招きするの
「迎えにきたよ―。
お家帰るよー。」
僕は急いで
お母さんの所まで
走って行った
そして
お母さんの手を
ぎゅっと握り締めて
家路を急ぐ。
お母さんの笑顔で
何だかほっとして
お腹が空いて…
そんな昔を思い出した
暑い暑い夏の夕方。
今は娘の手を引いて
散歩する僕は
少しだけ感傷に浸って
帰り道を歩く。
2009/07/16 (Thu)