詩人:どるとる
ページをめくるよ
見えない指先が
朝を呼ぶように手招きしてる
神様のいない世界だ
そのくせ人は
掟の中でしか
平和も秩序も保てない
息をすることさえ苦しい
だから だから 僕は鳥かごの中で
飛べずにいる自分の心を解き放ったのさ
箱庭は 広がって 広がって やがて大きな世界になる 宇宙になる
そして何千何万世代の血を繋げていくよ
君がその血を与えられたように
また誰かが 生まれるその時 君の血を分けた子供の産声が上がる
風が夢と戯れてるよ
目に見えるものが
すべてと言う君が感じているものは
果たしてなんなんだ
教えてくださいな
見えないものさえも
ここにある不思議
でも僕らは風を読んでいる
だから だから 僕は機械仕掛けの心臓に
血を求めて 痛みを神様に欲したんだろう
生きていることを体中でもっと感じたくて曖昧な命に息を吹き込んだんだろう
そして何百何千年もの時間の果てで
誰かがまた 風を読む そこにあるものをただ見つめるだけでは何ひとつ見えない
風を読むように象られる命の形 指先でその輪郭をなぞれば
世界が 君のあやふやな命を鮮やかに色づけるだろう。