詩人:どるとる
ぼやけたあたまで何を見つめてるの
変わり映えしない景色 行ったり来たりする景色
窓の外には 巡る季節が
通りを横切る 懐かしい風
誰かを そっと包むのに
風鈴の音色が かすかに記憶のかなたで
聞こえた気がした真夜中
枕を濡らして 朝を待つ
きのう見た夢の続きは
もう二度と見れない だろう 多分 それは通り雨
思い出の影が 揺れるのさ 誰かの胸の奥で 花を散らすように
微笑んだその口元に差す影は さよならをはらんでる
追いかける きのうの逃げるそのあとを
まぶたの裏の あの駅の小さなベンチのその隅に
思い出の影は 跡形もなく ただそこにある世界を縁取って
忘れられたようにたたずんでる 胸の片隅にくすぶる。