詩人:どるとる
薄汚れた 僕のせいで君の手さえも
汚してしまいそうで恐かったよ
愛することで傷つけることを恐れて
君に見つからないように隠れた
たくさんの恩を 仇で返すように 僕は
こんなにも汚れている 自分の手で
誰かを愛することなんか 出来なかった
静かに冬は時を凍らせて 雪は二人の隙間に そっと降り積もってく
物語の 途中で 足を止めてみたら
空の夕暮れのコントラストが
綺麗だったよ 君にも見せたいな
でも見せられないな もう君は
愛そうと思った時には ずい分遅かったよ
汚してしまえば良かった もういっそ
同じ色に染めてしまえば良かった
すべてを白く染める雪に変わる もう埋められない天と地ほどの距離
思い出す思い出すその場所が いつでも
心が帰る場所になる あの日の僕らがいた場所になる
そこが雪のふるところ 悲しいと思うことさえもないように
感覚を麻痺させてください神様
こんなにも汚れている 自分の手で
誰かを愛することなんか 出来なかった
静かに冬は時を凍らせて 雪は二人の隙間に そっと降り積もってく
つぼみは固く閉じて春は 雪が溶けるのを待って瞼を頑なに閉じている。