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[187827] 雑踏

詩人:どるとる


人混みの街並みは 夕陽に照らされてる
言葉もないままに誰もが 生き急いでいるように見える
答えを教えてくれないか 本当の僕ってものがいまいちわからなくって
不意の誰かの一言に容易く己を見失う

使い勝手のいい「普通」という言葉の身勝手さに振り回され すっかり僕は周りの色に埋もれた
流行りに流されて 人混みに流されて
押し寄せるたくさんの足音の中から
たったひとりの人を見つけるのはいまの時代容易じゃないよ

雑踏の中に紛れ込む小さな泣き声に注意深く耳をすまし目を凝らせば
本当の世界がそこに見えてくる

時の流れる速さについて行けずに
この頃は流行りも知らない ジーンズのように色あせても
なんの味もない 古臭い歌のようにただ流行りがまた巡る
僕はここに居るのにどこにも居ないよ

戦争といじめを秤にかけて 同じ土俵の上で続く茶番劇の 傍観者は 自分が傷つかなければ 手をさしのべようともしない
周りに合わせないと生きられないような年頃なら
もうとっくの昔に過ぎたのに
まだ僕の中に 大人になりきれていない幼い僕が 居るようで

雑踏の中に紛れ込み 周りを見渡せば 案外自分だけじゃないと安心してしまう
僕は他の誰でもない僕をころしてる

流行りに流されて 人混みに流されて
押し寄せるたくさんの足音の中から
たったひとりの人を見つけるのはいまの時代容易じゃないよ

雑踏の中に紛れ込む小さな泣き声に注意深く耳をすまし目を凝らせば
本当の世界がそこに見えてくる
本当の自分がそこに見えてくる。

2015/03/14 (Sat)
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