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[187830] 雨粒

詩人:どるとる


鳥は低空飛行 雨がもうすぐ降ってくるな
車の流れの中 ぼんやりとただ眺めていた
生きる意味だとか
生まれたわけだとか
探してるんだよ

そんな事ばかりに時間が過ぎてく
だって 僕らにはたったひとつの意味さえ見いだせないよ
本当は意味なんてありはしないんだから
だから、それらしい意味を抱いて生きている誰もみんな

ひとつふたつ またひとつ 一秒が 胸に杭を打つように
僕から 何かを奪ってく 僕は何かをまたなくすだろう
ほら、雨粒のようだろう 僕らは
あんなに高い空から落ちても
すぐに 弾けて 跡形もなく 消える

駅のホームに 傘の花が咲き乱れてる
僕はなぜ僕なのか 何のために生きるのか
最近はそんなこと
どうだってよくて
飯にありつければ

命ある人が命ある人を傷つける
そんな 無慈悲に奪われる他人の命に涙を流せるか

何ひとつ 例外はない世界には
僕と君の違いなんかありゃしないんだ
ただいつもすれ違う時間を生きてるだけ

ひとつふたつ またひとつ 一秒が 胸に杭を打つように
僕から 何かを奪ってく 僕は何かをまたなくすだろう
ほら、雨粒のようだろう 僕らは
あんなに高い空から落ちても
すぐに 弾けて 跡形もなく 消える

それを笑うなら もはや誰も信じられない
だから、強がってでも生きてる 雨の中

ひとつふたつ またひとつ 進んでるようで落ちていく
僕は 自分の命の重さで ただ どこまでも 沈んでゆくだけ
意味のないことに それとなく
意味や理由を付け足して
それを生きることと勘違いしている

生きることは それ程 素晴らしいことじゃない
きれいごとで その意味のなさを隠して
人は 雨粒のような運命を笑っているのさ。

2015/03/14 (Sat)
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