詩人:どるとる
この心は 形を持たないから
見えもしなければ聞こえもしない
目をこらしても耳をすましても
何もわからない
ああ またひとつ 今日が終わる
日が沈む直前
流れた涙は どこに消えていくんだろう
笑ってよいつもみたいに
ただ そこにある 喜びに
笑ってよ 泣いてないで
痛みを越えて 手に入れた
その 場所で 僕は無能だと嘆いても
誰も 助けることは出来ない
この右手と左手
五体満足の体を持ってても
出来ないことばかりだよ
ジャガイモの皮もうまく剥けない
夢から覚めた そのあとで
またなくしたもの 手探りしてた
どこかにあるんだよ あの日見た光
ただそこで息をしてるだけの僕に
教えてくれた 生きることの喜び
今度は 君に その喜びを教えたいのに
君はもう 思い出の中にしかいない
僕には 笑えても 泣けても
風向きを変えることすらかなわない
ただ 流れてく川の先を 見つめてる
それが精一杯だ
それでも生きるんだ
笑ってよいつもみたいに
ただ そこにある 喜びに
笑ってよ 泣いてないで
痛みを越えて 手に入れた
その 場所で 僕は無能だと嘆いても
誰も 助けることは出来ない
だから 進め 果てまで伸びたこの道を。