詩人:甘味亭 真朱麻呂
アスファルトにはじける雨音がする
車が水たまりで水をはじく音がする
君との関係を絶って
もうどれくらい経つのだろう
カレンダーはあの日からめくらずにあの時のまま八月の文字が色あせてる
絶え間なく続いてる僕らの暮らしのなか
別れと出会い繰り返す事をいちいち根に持ってもいられない
それでも君のこと
どうやったって忘れられない
それだけ君との生活があの日の僕の日常に浸透していたんだね
今考えれば痛いくらいにあの日が名残惜しいよ
そういえば君と別れたあの日の朝も
今日の空みたいに雨が降っていて
濁った灰色をしていたな
こんな日にはよけい悲しくなる
君のこと思い出しては押し込めようとして
ヤッパリできなくてため息がただ切なくこぼれた
吐き出した切なげな生ぬるいため息は八月の雨音に容易にかき消された。