詩人:どるとる
愛する人を傷つけてしまったときや生きることにつまずいたときには
いつもベランダに出るのが僕の癖になってしまった
なんとなく見上げた空はもう日暮れ前
ほら チャイムが鳴って 夕闇迫るよ
日は少し伸びてもまだ 春というには肌寒く
シャツ一枚では少し心もとない
だから 風邪を牽かないようにしなくちゃ
くしゃみひとつした ら
涙が 一気にあふれた
当然それが理由ってわけじゃないけれど
まるで合図のように強いはずの僕をこんなにも弱くする
ほら もうあっという間に夜が あたりを闇で包んで
呆れたような 君をガラス越し 映してた
「もう、ゆるしてあげる」と
君は笑ったんだ
逃げ場所なんてどこにもないと思った
でも居場所ならここにちゃんとあるんだ
待っていてくれる人がいて 心配してくれる人もいる
こんなに呆れたり たまには喧嘩したり
あれやこれやしたり 出来る人がいる
ただそれだけで 本当は 幸せなのに 気づかないってだけで
幸せは 目には映ってても心には映らない
※時々 何もかも わからなくなる時がある
生きることさえむなしくて 立ち止まる時
決まって 僕を励ましてくれるのは大好きな君以外いないよ
うまい言葉はこれといって思いつかないけど
今はとりあえず 愛してる これで勘弁してね
「相変わらず 不器用だね」と
君は また笑った※
多分 そんな ひとつひとつのささやかなこと
ばかばかしくもあってくだらなくもあって
だけどかけがえのない思い出が
明日を 生きる 力になるんだ
※
その笑顔のために僕は今日も生きている
その笑顔のために僕は明日も生きていく。