詩人:どるとる
夏を抱いた空に 白い雲は 宛もなく流れる
あの青空に とけてしまえたなら
心の帆を立てて 青い空の海を
大波小波かき分けて行こう
珊瑚礁の間を抜けて 魚の群れを横目に
机の引き出しの奥にしまったはずの絵日記に
描かれたあの夏にもう一度会いたい
風はどこに向かって行くのか 旅人気取りで
手紙も残さないまま いつの間にか
心に 翼が生えて 空想の中を旅する
自由はそこにあるものと知れ
鉄屑の街には 用はない 見えない扉を開けて
その向こうへ 逃げ水が手招きする
蝉しぐれの雨の真っ只中へ
いつか忘れたふりのあの頃の僕に会いたい
麦わら帽子は 風にさらわれて
どこかに消えた
追いかけてみよう
足取りは まだ消えてないよ
まだわずかに足跡が思い出の向こうまで続いてる
さあ 行こう船出のように
心の帆を立てて 青い空の海を
大波小波かき分けて行こう
珊瑚礁の間を抜けて 魚の群れを横目に
机の引き出しの奥にしまったはずの絵日記に
描かれたあの夏にもう一度会いたい
そしたらなんて言おうかなあ。