詩人:秋庭 朔
くちびるに指を当て
粉雪が夜に忍び寄る
朝になれば
すべて覆い尽して
世界を白く
吐息色に変えるだろう
明日が見えないうちに
想い出が降り積もり
ぼくらを
動けなくしてしまうんだ
手を繋ぎ走り出せば
直ぐに転んでしまう
知っていながら
想いだけが羽ばたいて
夜空を翔け巡る
Darling
Darling
コドモとオトナの挾間で
もどかしさが
言葉を縛りつける
もっと近くで
見ていたいのに
手を伸せば
壊れてしまう
知っているから
願いだけが膨らんで
祈りの形で凍り付く
Darling
Darling
コドモとオトナの挾間で
せつなさが
心を締め付ける
夜明けが訪れる前に
不安が降り積もり
ぼくらを
動けなくしてしまうんだ
手を繋ぎ走り出せば
直ぐに転んでしまう
知っているから
想いだけが揺めいて
夜風にただ震えてる
Darling
Darling…