詩人:どるとる
何が僕を動かすのだろう
出来合いの既成概念を崩すために
個性を叫ぶけれどいつも空振りさ
つま先に 花びらひとひら 落ちて
誰かが言うよ 「春だ」って
あなたは 言うのさ
そんなものは
すべて愛に似たまがい物
はじまりのうた 手のひらに乗せて戯れるだけのストーリー
綿毛が 空に舞うのはこの場所に花を咲かせるため
君が 見つけたその場所に もう一度なくした光を 灯すため
春風は君の毛先を撫でて
誰もが春の訪れを喜ぶのに
僕だけはいつも寒さにふるえている
用意された椅子には 名前なんてない
だから、居場所というには大げさだ
それでもいいんだ
嘘でも出まかせでも
傷つくのは僕だけなら
フィルムの中 光と影に隔てられた 別々の世界に生きる二人
どこかしらすれ違いながらどこかしら重なるように
手を振りほどいて 物語は新しいあらすじを刻んでいく
僕の目に映るすべてのものは
きっとどこかしら嘘っぽくて安っぽいいうなればそれは青春が残した余韻
そんなのは愛という名前のまがい物
積み重ねた間違いは巧妙に正しさのふりをする
でもそれは何かが変わる合図だ
はじまりのうた 手のひらに乗せて戯れるだけのストーリー
綿毛が 空に舞うのはこの場所に花を咲かせるため
君が 見つけたその場所に もう一度なくした光を 灯すため
君の心に。