詩人:どるとる
お母さんの手が 我が子を 抱くとき
その手は あたたかく心も包み込んでる
僕には そんなふうに見えるんです
お父さんの手が 拳を 固めるとき
その手にはたくさんの愛が握られてる
僕には そんなふうに見えるんです
何気ない 一瞬や なんでもないような暮らしの一場面に よぎるほんのささやかな大切なはずのひとつひとつ
そんなにも小さな小さな手なのに
こんなにも大きな大きな愛で
僕の涙も笑顔も軽々と包み込んでしまう
あなたの両手はまるで魔法の両手
旦那さんのために朝、お弁当をつくる
奥さんの手は 少し疲れてる
でも どこか 笑ってるように見える
旦那さんが 奥さんの弁当を食べるとき
その手で弁当箱の蓋を開けたとき
旦那さんはご飯と一緒に愛を食べてる
小さく呟くありがとうって声がする
行ってきますとか 行ってらっしゃいとか
普段何気なく交わしてる言葉の 中に灯るあたたかな光
特別なことなんかは出来ないけれど
出来るだけのことはやってあげたいよ
愛は言葉にはしなくてもいいんだ
なんとなく思い合えば伝わってしまうから
あなたは今ごろ何をしているのかな
僕の帰りを そわそわして待ちわびているかな
僕の帰りなんて待たなくても
先に寝れば いいのにね
なんて 言ってもあなたが出迎えてくれるのが何より ひそかな楽しみだってことは内緒だよ
そして、旦那さんの帰りを出迎える奥さんも 同じように楽しみにしてることも内緒だよ
そんなにも小さな小さな手なのに
こんなにも大きな大きな愛で
僕の涙も笑顔も軽々と包み込んでしまう
あなたの両手はまるで魔法の両手
ひとりにひとつだけの僕や私の 魔法の両手。