詩人:さみだれ
"ぼすっ"
私はカウチに腰を下ろす
魂との対話の時間だから
しばらくして冷たい風とともに
魂はやってきた
"すとん"
私の対面に魂は腰を据えた
(さて、何から話せばいいものか)
私が眉に皺をつくり
考えあぐねているのを見て
魂は声を上げて笑った
「私はちゃんと待っているから、焦らず話せばいいよ」
静かな、しかしどこか強かな声だった
私は暖炉の方に目をやった
色のない炎の先端を
その向こうの煤を
私はぼうっと見ていた
「私はね」
魂が話しかける
「私はね、こうやって君と時が流れるだけで幸せなんだ
こうやって君の横顔を眺めている時間がね」
私は何も答えなかった
魂の方に目をやると
その顔は微笑んでいて
私はつられて微笑んでいた