|
詩人:どるとる
やわらかな死が 迎えられそうな
そんな 日だった
優しげな 陽射しが 手招きしてる
「おいで おいで」
どこに行くのか?どこへ行こうか
せめて旅に出るなら地図にない場所まで
気紛れなワールドエンドに 乗じて
これ以上でも これ以下でもない
最後の キスを交わそう
浅い知識で満たされて
緩い傾斜でまどろんで
このまま息もつかせぬ旅の 真っ只中へ
おだやかな 風の中に 見つけた
光のような 希望のような
わかりやすい幸せが 顔をのぞかせてる
「もういかい まだだよ」
探す宛のない 隠れん坊のはじまりは
せめて 無意味という意味に 酔いしれて
手当たり次第に 撒かれた餌を啄んで
可もなく ましてや不可もない
たったいちどの 過ちを犯そう
軽はずみな 死を 望んで
目を閉じたまま 世界を 睨んで
そのちっぽけな腕で世界を つかみ取って
色とりどりな 光がまばたきするように次々に変わる
見渡した世界は やがて そこから 次第に広がって
あなたは 物語のさなかへ 足を踏み出す
傷つくことを 望んだ
なぜだろう 無傷ではつまらない
気紛れなワールドエンドに 乗じて
これ以上でも これ以下でもない
最後の キスを交わそう
浅い知識で満たされて
緩い傾斜でまどろんで
このまま息もつかせぬ旅の 真っ只中へ
落ちて見えなくなって消えた
そこからはもう違う世界
新しい世界。