詩人:さみだれ
あなたは世界の真ん中で
指に髪を巻きながら
待っているのだろう
そのうちあなたが指に巻いていた髪は色を変え
しかしその変化に気づかないほどに
あなたは真摯に待っている
私たちが戦争や飢餓で苦しんでいても
私たちが貧困や差別で悩んでいても
あなたに起こりうる最も過酷な現実は
待っている人が現れないこと
それでいいんだよ
神様のお言葉でも
私の哲学でもなく
それでいいんだよ
君たちが私にどれほど醜いレッテルを貼ろうとも
私には何ら苦ではない
君たちは世界の真ん中で
私やあなたを指差し笑うが
そんなものは悩みにもならない
私に起こりうる最も残酷な現実は
待ち人がいなくなること
それだけだ