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[188228] てのひら

詩人:どるとる


通り過ぎてく 今日の終わりに
僕はなんとなく一人 考えていたんだ
悲しいことも 思い出と呼べたなら
何ひとついらない思い出はないって

暮れゆく 街並みをオレンジ色の空が
抱きしめてるように僕には見える

そうやっていつの間にかひとつひとつ
増えていく思い出を指折り数えて
人は思い出と呼ぶ

思い出を手のひらに映して
あの日、泣いたこと 笑ったことを思い出す
こうして目を閉じれば 忘れていることも昨日のことみたいに
ほら あざやかによみがえるよ それが思い出と呼べるもの

忘れ去られた 場所に咲いている
花のように かすかな輪郭をかたどって
なんとなく 胸の中にしまわれている
忘れたつもりの涙さえ輝いて

これからの日々を歩いてく道になるよ
ほら その涙が生きる強さをくれた

悲しいことだけを覚えてる 思い出ならいらない
流した涙も あますことなく思い出だと呼べたならいいな

思い出を手のひらに刻んで
ふと 人生に行き詰まるとき あなたは思い出すだろう
何ひとつ 忘れてしまえばいいことなどないから
今日流した涙も浮かべた笑顔も全部思い出と呼ぶよ

僕が 歩んできた 道の上に
刻まれた 足跡が 見える
いろんな 思いや 感情が こみ上げる
それは形のない 宝物 かけがえのない僕らの財産

そうやっていつの間にかひとつひとつ
増えていく思い出を指折り数えて
人は思い出と呼ぶ

思い出を手のひらに映して
あの日、泣いたこと 笑ったことを思い出す
こうして目を閉じれば 忘れていることも昨日のことみたいに
ほら あざやかによみがえるよ それが思い出と呼べるもの。

2015/05/17 (Sun)
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