詩人:#聖
月が雫が静かに
透明感が濁りそうで 怖い
寝息が腕のこのあたりで
囁く
白く引かれた距離も
互いの手にあった鍵も
疎ましかったその言葉さえも
君は何処かへ
僕は叫んでた
虚しさが入り乱れるこの部屋で
また昨日が来るよ 空っぽの昨日が来るよ
指を持て余したまま
そのまま そんなままの
今日にさえ捨てられそうで
意識に飲み込まれそうに
囁く
微妙なやりとりも
認めてたその心も
冷たくなった空気も
君は見えなくて
僕はただ探す
ため息が積もるこの部屋で
まだ明日は来ない そうまだ来ない
指をもて余したまま
君だけでいい
僕はそれだけで
忘れられないなら それでいいとさえ
また今日で まだ今日だから
その指と髪は
寄り添うことでまともでいられた
はず なのに