詩人:けむり
数えてくれぼくの鼓動を
鍵を持たない耳をこのザクロのような胸に当て
ひっきりなしに毎分の心拍数を数えろよ
知るんだ!
このぼくがどれほどおびえているか
表情を失った顔の奥でどれほど恐れおののいているか
おお おお 時が経つということを!
ぼくは年齢に見合った成長をしてきているだろうか
振り返れば ああ! 数え切れぬ可能性が腐敗してしまった
無惨な! あせりはつのるばかりだ
ぼくは白濁とした霧モヤの中でもがいている
帰り道など始めからない中で
だがぼくは割れたザクロの実のように猛るのだ
今なお心は絶対的な平穏を求めて歩みを助長する
その先には真の安らぎがある
それを望まずしてなにを望めばいいというのか
ぼくは魂の楽園を探す旅人だ
そこは確信的な問いと答えのみで形成されている
この途方もない迷宮には必ず出口がある
なぜなら出口のない迷宮をさまよう生命はすでに
時間に支配されるという生命としてのの責務を果たしてはいないから
だからこそまたぼくは恐怖するのだ
聞け!ぼくのこの胸の震えを
当てもなく出口を探しさまようこの恐ろしさを
だがぼくは生きる限り求め続けるだろう
安心が約束された中で静かに暮らせる日々を