詩人:黒夢
一つだけ、初めて君に嘘をつく。
君の為にと言いながら
僕の為につく、残酷な嘘。
僕の心を守る為に、君の心を傷つける。
それでも君は優しいから、きっと
笑って僕を赦すだろう。
今はもう見慣れたはずのその笑顔が
痛々しくて見ていられない。
僕の為に、君の為にも
僕が君から離れよう。
本当は君が、誰よりも愛しい。
でも
これ以上一緒にいても、互いの傷を深くするだけだから。
大切だから、離れる。
好きだから、別れる。
矛盾してるけど
君の笑顔が痛いから。
君の幸せを思う故に。
「好きじゃなくなった」
−本当ハマダ、好キダヨ−
「さよなら」
−ゴメンネ、ドウカ泣カナイデ−
君の為に、最初で最後の
僕の為に一つだけ
本音を隠す為の、嘘をついた。