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詩人:高級スプーンあと何年
空腹の合図みたいな
インスピレーションに従って
貪り食うように描く本文
書き終えてタイトルをつけて
箸の代わりにペンを置き
訪問者を待つ
扉の先に救いを求めている
わけじゃない
その先に
死体が転がっていても
テイクフリーの聖書があっても
この先終わる人生の続きがわかる
わけでもないし
ネタバレされない未来
広告をスキップするように
何もしなかった今日を飛ばせたら
余計なことを考えて
煩悶せずに済むのにな
実行できたら
あっという間に老後だったり
その前に
死体が腐っているかもな
流れる走馬灯
エンドロールの途中で
席を立つ人々
声を掛けることも出来やしない
閉まる扉の内側で
それでも懊悩するのかな
やだな
reiwa2019