詩人:香奈
この世に生をうけたことに
疑問を持つ
醜いアヒルの子
皆が集まる場所へ訪れた
「近寄るんじゃない!」
「醜さがうつる!」
煙たがられ
嫌がられ
傷が深みを増し
醜いアヒルの子は足場さえ不安定
水面に移る自分にさえ目を塞ぎ
暗闇に身を暖める
闇の中に見える鏡に
温もり求め
癒やし求め
光すら見えない
見ようとしない醜いアヒルの子
時より現れた唯一の光
光を見るには眩しすぎて目が潰れる
だけど目を開けることを止めようとはしない
自ら灰になることを決め
足を早め
光を追い求め
力つき
ようやく暖かい腕の中へ…