詩人:どるとる
短編映画の中に
沈み込んだまま
意識だけ 目覚めて
心は 瞳の中に
浮かぶ世界を眺めてる
いくつかの罪と
いくつかの罰を
指折り数えた日々は
もうとうに過ぎ去り
もうあんなに遠く
空想小説の向こう
活字は星になって
夢をかたどる あらすじが
僕らを呼んでる
あとは目の前の扉を開けるだけ
短編映画の中に
沈み込んだまま
意識だけ 目覚めて
心は瞳の中に
浮かぶ世界を眺めてる
昨日が残した足跡を
追いかけていけば
たどり着くだろう
その場所は
いつか夢に見た未来
それは まぶたの裏のスクリーン
そっと 思い出を映し出す
笑いと涙の 茶番劇
観客は一人もいない
役者も一人もいない
アングルは同じ
位置をキープする
空想リテラシー。