詩人:どるとる
あらすじは いつも
レールからはみ出して
それていく 遥か彼方へ
結末を 急ぎすぎた天才が
たどり着いたその場所は
脳内より少し 手前
浮ついた ビートで
かき混ぜて
私の イカれた平行世界を
所詮、目指すはアイランド
きらめくような銀世界
忘れないでね
いつか 手放した涙を
たとえば
風を束ねた花束を
空席に いつも
影が 座っている
埋めていく 空欄の箱
隙間なく 感嘆のため息で
満たされた その場所は
幸せより寧ろ うつろ
厳つい フォルムで
圧倒させて
平和を 夢だと気付かせて
張りぼての砦 アイランド
アルキメデスの蜃気楼
忘れないでね
いつか産み落とした卵を
たとえば
自ら望んだ永遠を
やがて すべては
点と線で結ばれて
シナリオとシナリオがつながってゆく
そこには感情なんてない
ただ誰かの膨大なイメージが紙面にふきこぼれてる
でもそれが何より
リビドーみたいな
快感をくれるの
痛みさえもリアルなここは理想郷
浮ついた ビートで
かき混ぜて
私の イカれた平行世界を
所詮、目指すはアイランド
きらめくような銀世界
忘れないでね
いつか 手放した涙を
たとえば
風を束ねた花束を。