詩人:どるとる
言葉だけなら いくらでも 傷つけられる
だけど 僕にはあなたの体を傷つけられるだけの勇気もない
だから いつも覚悟もないままに
言葉だけで 強がるだけで
無益な 争いは 静かに収束を迎えるの
この胸の中に 咲いた名前もない波打つ感情
それはまるで 今にも降り出しそうな雨を予感させるような
恐いくらいに静かな音のない 世界に 広がる不安
たとえば 何かをまかり間違って
それをフラワーと ぼやかせば
世界は 途端に 嘘に染まって
何もかもが仮初めの美を装うだろう
だから僕は少しも
正しくなんてないし
誰も間違ってなんかいない
ただ 僕と君には隙間があって
向かい合えばたちまち気まずくなって嘘に頼るだけだ。