|
詩人:高級スプーン
この先
どこまで進んでも
その影にすら
届かない
理解っていても
歩くしか
思い出はまだ
少し温かい
冷たい風が吹いた時
背中に感じて
振り返る
理解っているのに
振り返る
そこにも
貴女が居ないこと
静けさが遠く
通り過ぎた頃
運良く
聞こえた唄がある
そんな偶然
あっただろうか
思い止まる
僕のように
聞こえた唄が
あったなら
今からでも
追いつける筈だろう
この先
どれだけ歌っても
その影にすら
届かない
理解っていても
止まらない
静けさが遠く
通り過ぎた頃
運良く
聞こえるような唄
偶然
誰かが耳にしても
貴女が
振り向くことはない
思い出はまだ
少し温かい
冷たい風が吹いた時
背中に感じて
振り返る
理解っているのに
振り返る
そこに
貴女が居なくても
また前を向いて
歩くしか
深い深い
静けさの中
これから始まる
唄を連れ
先を急いで
歩くしか