詩人:どるとる
こうして目を閉じれば
闇の中にも 朝と変わらないくらいの光が描けるさ
弧を描くように 輪郭をそっと指でなぞる
やわらかくて 優しくて
いつもそばにある 名前のないぬくもり
夜の中には いくつもの寂しさや 悲しみがある
誰かの 涙が 空っぽを満たす
もう恐れるものは何もないや
ページをめくる手が
明日を 引き寄せて 窓を開けば 世界が映る
夢から覚めるように そっと夜が明けてゆく
ありがたくて たまらなくて
いつも 言葉にならない 気持ちになる
夜が朝になり 朝が夜になり 繰り返す波
誰かの 声に 呼ばれたようにたどり着く
夜明けまえの 街
出会うはずもないたったひとつの夜が朝と手をつなぐ
そして生まれる新しい今日がある
夜の中には いくつもの寂しさや 悲しみがある
誰かの 涙が 空っぽを満たす
もう恐れるものは何もないや
このまま 流れにまかせて。