詩人:どるとる
紛れている たくさんの本当の中に
身を隠すように 嘘は そっと
さっきまで 降っていた雨も上がって
やがて 何もかもが
もう 手遅れだと気づくまで悪あがきだ
希望なんて 嘘だと思う
悲しみがある以上 気休めにしかならないことを
そろそろ僕らは気づくべきだと思う
あなたのことを思うと胸が痛いよ
にわかには信じられない
たやすく疑えない
それが本当です
やることもないから 誰かを 憎むだけ憎んだ
いつか 何もかもを
なくしたとき 最後に残ったものだけが宝物
嘘でさえ 嘘だと思う
確かなことなんてわからないから 不確かなこともない
だから 間違ってて正しい世界
今あるすべてが 唯一の答えだ
ベランダから見た
沈んでく夕日
なんとなく
寂しさが 押し寄せてくる
切なさが こみ上げてくる
希望なんて 嘘だと思う
悲しみがある以上 気休めにしかならないことを
そろそろ僕らは気づくべきだと思う
あなたのことを思うと胸が痛いよ
本当のことを隠すために嘘があるなら
その笑顔の向こうには傷跡があるんだ。