詩人:甘味亭 真朱麻呂
下りの電車の窓から眺める
東の空はもうキレイな夕焼け
でも西の空はまだ薄い青色
通り過ぎる
見慣れてしまった同じような景色
遠くきこえるアナウンス
やがてすべての車両に行き渡り
僕の耳に届く
疲れたように次の駅を告げる運転手の低い声…
ドアが自動的に開く
開口音の後
たくさんの人が吊革を求め手を伸ばす
閉口音の後
電車は再び走り出す
ガタゴト…ガタゴト…
電車を見送る僕の瞳に映る
遠くなりやがて小さくなるその電車
幻想的な斜陽の列
見上げた空の塗りつぶされたさっきよりもキレイな夕焼け
こうして
今日も終わっていく
冷え込んできた空気の中
ホームに一人立ち尽くす
もう少し…もう少し
今日という日を感じていたい。