詩人:どるとる
闇の中に 目を凝らすと あなたが笑う
いつかの思い出が そっとよみがえる
戯れに買った 水槽の中には魚はいない
戯れで生かされるほど命は小さくはない
僕は 少し長い 休息をとっている
それくらいに考えてもいいかな
瞼の裏に 描かれるイメージは
いつだって 手にしたものより
失ったものを 限りなく覚えている
もう戻らない 時間を刻みながら
途方もなく 季節は流れていく
僕らは一歩も戻れない
消えない痛みを忘れる為に 今を生きてる
いつしか 覚えた上手な嘘のつき方
あなたは疑いもせずに優しさをくれた
心を満たしているのは間に合わせの記憶
心満たされず注ぎ足したそばから乾いてく
それは 名前もない 色も形もない存在
だから意味を持たないただの無生物
この瞳の果てまでも広がる夜は
優しさなど知らないように
立ち止まる僕を置いて突き放してく
何をなくしたの?何がお望みなの?
答え合わせをしても意味はない
空欄のままの解答用紙
気休めのようなきれいな涙が空っぽを満たす
水もない 水槽には
目には見えない
一分一秒が
注がれていく
やがて あふれきった時が
こぼれたら あとはただ
再び空になるのを待つだけだ
瞼の裏に 描かれるイメージは
いつだって 手にしたものより
失ったものを 限りなく覚えている
もう戻らない 時間を刻みながら
途方もなく 季節は流れていく
僕らは一歩も戻れない
消えない痛みを忘れる為に 今を生きてる。