詩人:どるとる
僕らの7日間戦争を読んで 憧れたすべては幻になって
やがて夏の終わり頃に僕は 街をあとにした
小さな頃の記憶はかすかな シャボンの形
秘密基地は 今 どこにあるんだろう
きっと僕の心の中に秘密基地はあるよ
思い出を しまっておくための場所だ
あの頃の 僕らは 日が暮れても
かまわず 走って あてどもなく探した
青春の恥ずかしいシミのように
僕の心の一番 奥でひときわ光ってる
帰りたくて 帰れなくて
僕は迷子のように なった
黄昏 駅前 大通り
沈む夕日は 駅舎を照らしていた
ああ 長い1日が終わる
あの頃の 僕らは 日が暮れても
かまわず 走って あてどもなく探した
青春の恥ずかしいシミのように
僕の心の一番 奥でひときわ光ってる
何でもない人生の唯一の誇りは
膝小僧に つくった傷跡かもしれない
思い出にまで届くほどの深くて
かけがえのない傷跡かもしれない。