詩人:どるとる
いいことをしたときに
ほめてくれる手を
わるいことをしたときに
叱ってくれる声を
僕は求めていました
愛だと言うならきっとそんなものを言うのだろう
あなたのその手が描く幸せ
あなたのあたたかな眼差しに
包まれながら僕は気づくんだ
何度でもその愛に
人をたやすく殺めるような時代でも
けっして消えない誰かを思う気持ち
その手が僕に教えてくれている
泣いている僕を そっと見つめる瞳を
そして泣き止んだ頃抱きしめる温もりを
僕は手にしているのに
当たり前だと鼻で笑うなら愛される資格なんかない
あなたのその愛は無償の愛だから
あなたのあたたかな眼差しは
誰のものでもない みんなのものさ
優しさに飢えた人の渇きを潤す
水のように 空っぽの心を満たすように
足らない僕に優しさを分けてくれる
目を閉じて 探すんだ
大切なものはいつも
目を開けたままじゃわからない
だから、目を閉じて
見つめるんだ
闇の中でも けっして消えない光を
あなたのあたたかな眼差しに
包まれながら僕は気づくんだ
何度でもその愛に
人をたやすく殺めるような時代でも
けっして消えない誰かを思う気持ち
その手が僕に教えてくれている
愛の手ざわりを。