詩人:どるとる
笑ったことや 泣いたこと
くだらないことや 大切なこと
ひとつひとつ 胸に刻み込んで
思い出という名前をつけて綴じよう
いつまでも忘れないように
時に押し流されても
あなたの 笑顔はあざやかなまま
瞳の奥のスクリーンに映るあなたの
笑った顔が 何度でもよみがえるたび
なくしたことさえも忘れてしまうけど
夢から覚めて気づくと君はもういない
手探りしても わざとそっぽ向いても
思い出の中でしか君には会えない
好きなことや 嫌いなこと
好きな色 好きな食べ物
何もかも思い出せるのに
何のために 覚えたんだろう
積み重ねた思い出が涙に濡れる
もう一度会えるなら何を話そうかな
そんなことばかり考えてしまう
あの日、君が 言った言葉がある
どうか私よりも幸せになってね
そんな言葉が今では悲しいんだ
だって君がいなければ幸せにはなれない
笑うことさえ うまくできないよ
目を閉じれば 思い出は浮かぶのに
はしゃぎすぎて疲れ果てた夕暮れ
君は 僕の隙をついてキスをした
そんな 場面が何より今では 恋しい
思い出は消えない 消せない
だからこのまま 君の思い出を抱いたまま
僕は生きて行ってもいいかなあ
瞳の奥のスクリーンに映るあなたの
笑った顔が 何度でもよみがえるたび
なくしたことさえも忘れてしまうけど
夢から覚めて気づくと君はもういない
手探りしても わざとそっぽ向いても
思い出の中でしか君には会えない。