詩人:どるとる
雨が 止みそうな気配はない
明日も引き続き 降り続くらしい
東京の街は ひどく冷めていた
誰かのぬくもりさえ探すのも難しい
差し出しされた手がもしも愛なら
償いなんて求めないで欲しい
愛は いつだって無償だと知ってる
僕も君も 傷つく人を見捨てられない
だから、見返りなんか気にせずに
ただ 誰かの涙のそばに寄り添って
弱い人たちの居場所になりたい
にわか雨のようにすぐに変わる天気
予報にない雨が傘を忘れた人を濡らす
流行りの歌が流れてるコンビニの中
聞きあきたような台詞がうざったい
履き違えたような愛ばかりが
愛と名乗り 蔓延ってる
愛はそれほどきれいな物じゃないから
傷ついて醜く歪んだ物こそ愛らしい
言葉なんかなくても心はここにあるよ
愛してるもアイラブユーもいらない
ただ雨降るように静かに在るべきと
目を閉じたら まるでスクリーンのよう
映るのは暗闇ばかりで寂しいけれど
思い出があれば あざやかに見えるだろう
愛は いつだって無償だと知ってる
僕も君も 傷つく人を見捨てられない
だから、見返りなんか気にせずに
ただ 誰かの涙のそばに寄り添って
弱い人たちの居場所になりたい
気休めでも傘の代わりになりたい。