詩人:甘味亭 真朱麻呂
忘れた頃に出てくるなくしたもの
なくしたときにはなかなかでてこないくせに
忘れた今頃になって出てきやがる
忘れてしまったのは思い出の在処か
気が付いたら思い出は遠く離れて
小さくなって跡形もなく消えたよ
いつの間にか僕を大人にして
ただそこにはあの日と同じ夕焼けが空にあるだけ
大切な気持ち伝えられないでも
僕は後悔なんかしてないさ
後悔したのは君ともっと思い出作りたかったことだ
忘れてばかりの僕の毎日は
忘れた頃になって思い出す
涙がポロポロ落ちてくるのは
悲しいからじゃなく
切なく感じたから
忘れてしまったのは夢や理想か
あの日の後悔と挫折は無意味だったのかな
夕焼け空の向こうにはなにくわぬ顔をした太陽がただ沈んでいくだけ
思い出よりもなによりも
大切にするはずだった
君との日々がしくじった僕を取り返しの付かない現実を笑っている
さがしものはもう見つからない
夕焼けの彼方へ消えてしまったから
思い出の中でしか輝くことができなくなったから
なによりも僕が歳を取りすぎたから。