詩人:どるとる
王様が変わってからというものおかしな法律ができはじめた。
その中でも一番おかしな法律は色彩識別という法律だ。
極端な王様は国に争いが起こらないよう徹底した平和活動と銘打ちその法律を作ったようたが、
まず、色分けされたプレートを名札のように胸につけられる。
そのプレートは濃淡の濃い青から徐々に薄くなり最後は透明に近い青がある。
濃い順から国に逆らわぬ国民にふさわしい健全な人間という基準らしいが、それはかなり微妙なものでありたまに色を間違えて処罰されるということもあった。
だが、王様はそれでもその識別法をやめなかった。
ある日、王様より上の位の王々様にあなたの識別がまだ済んでおりませんと言われたので王様は識別するための機械に自分のデータを読み込ませ結果を待った
すると機械がこう告げた。
「アナタノココロハケガレテイル。タミノカナシミニモキヅケナイヨウデハトウテイイキテルシカクナシ。ヨッテオウイハクダツオヨビシケイヲメイジル」
それを聞いた王々様は王様を断頭台で死刑にした。
死ぬ直前、助けを懇願した王様に王々様が冷ややかに言った言葉が国民を凍らせた
「オマエガジブンデキメタホウリツダロサイゴマデセキニンヲモテ」
民たちは口をそろえて言った。
「なぜ王様は自ら死んだのだろうか」
その後王様以外に王々様を見た人、あるいは知っている人はいない。